【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第28章 始まりはすぐそばに
船に戻ると、何故かそこは騒がしくみんなが慌てふためいていた。
『何かあったの?』
「何言ってんだよ!アンが拐われたから探してんだろ!」
「馬鹿なこと言ってねェで、さっさとおまえも探せよ!!」
『誰が拐われたって?』
「だからアンだっ…て…え?」
『はーい…ただいま。』
「「「「帰ってきたァァァ!!!!」」」」
みんなは泣いて喜んでいた。一体何があったと言うんだ。
『何?なんでこんなことになってんの?』
「イゾウがおまえが見知らねェ男に連れて行かれたと報告よこしてきたんだよい。」
『マルコ…』
「全く…ほんとおまえは面倒しかかけねェよい」
「アンちゃん…無事だったの。」
「てめェのせいで飯を食いっぱぐれた!!」
『なんか…ごめんね?ってか、イゾウが大袈裟なんだよ。』
「そんなことねェよい。俺たちはおまえを守るのも仕事だ。それがたとえ知ってる男でも男ならみんな一緒だ。」
『お父さんみたいだね。』
「「「ブッッ!!!」」」
「うるせェよい。」
みんなに一言謝って部屋に戻った。こんなことで心配になってしまうみんなにさっきの話は言えない。もっと過保護になってしまう。
『…ま、なんとかなるでしょ。』
その夜はお酒を飲んでいたこともありすぐに眠りにつくことができた。
「おい、アンを攫ったのって結局誰なんだよ!」
「確かにそこまでは聞いてねェな」
「どんな男だったんだ?」
「全く迷惑な男だよい」
「結構顔は良かったな。」
「「「イゾウッ!!」」」
「なんだい、お前さんたちが気にしてたから教えてやったんだろ?」
「で他は?」
「ありゃ…どっかでみたことある顔だったな。」
「どこだよいッ!!」
「ったく、あいつにはろくな奴がつかねェな。」
「「「「全くだ」」」」
男たちは酒を煽り、話に花を咲かせた。結局サボのことは一切分からず有耶無耶になっていったのだった。
健康診断も無事に終わり、出航準備が始まった。1番隊は他の隊の司令係なので船で色々と指示を出していた。
「アンさん、これは?」
『食料品は、第二倉庫へ。武器はイゾウ隊長とビスタ隊長のところへ。エースも手伝って!!』
「ほーい」
紙を見ながら指示を出していると、ナースたちとマルコ隊長が帰ってきた。