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【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...

第28章 始まりはすぐそばに


「まぁ…これが島の醍醐味ってやつさね」
『ふーん…じゃ。』
「ねェ、貴方もイゾウさんのお仲間なの?」
『そうですけど…何か?』
「男娼…紹介しましょうか?女も溜まるでしょう?」

イゾウの隣にいた女の人は耳元で話してきた…が。

『興味がないので結構です。』

女の体につく匂いが気持ち悪く、吐き気がした。

「男娼なんていらねェよ。こいつはオレが連れて行く。」

後ろから抱きつかれて、少し見えるその服はすごく見覚えのある物だった。

「おい、待て…お前さんはなんなんだ?」
「じゃ、そっちはそっちで仲良くしろよー」
『ちょっ…待って!』

フードをかぶる男に半ば引きずられて、人通りのない通りにやってきた。

「またあったな…大海の天使。絶対オレとおまえ何か縁があるよ」
『だいたい…こんなところで何してんの?革命軍の参謀総長さん。』

フードを脱いだその下にある、金の髪、青い瞳、左目にある大きな火傷の跡、以前旅をしてた時に会ったのが最後だったか。

「ただ立ち寄っただけだ。港に白ひげの船があったからもしかしたらと思ってんだ。こんなところで会えるなんてなッ!」

ニカッと笑うその姿は昔の記憶を思い出させる物だった。

『参謀総長さん「サボ」え?』
「サボって呼べよ。っつか、電話待ってたのにな。」
『するとは言ってない。』
「紙受け取ったら来ると思うだろ?」
『なら、返すけど。』
「なんか…変わった?垢抜けたってか…本性が見えてるってか。機嫌悪い?」
『……』
「何か嫌なことあったか?」

ずっと通りで話しているのもアレなので、すぐ近くの居酒屋に場所を移した。

『島…初めてなの。』
「は?」
『家族でみんなで着陸したの。前に島で集まった時はほとんど別行動だったし…』
「ふーん…で?」
『みんなが船を降りたら女の子を買って…することだってわかってるけど…実際見たらどんな顔をして合えばいいか全然わからない。』
「……」
『サボも女の子買ってやることやるんでしょ?』
「まぁ…な」
『だよね…なんか家族の性事情を知るって複雑…』
「何にも考えずにいつもどおりに接してやればいいんじゃないか?」
『サボはもし私が男娼と歩いてたらど「止める」早い』
「そりゃそうだろ?俺はお前を気に入ってんだ。そんな奴が他の男と歩くなんてゆるさねェ」

声は低く、見えない相手への怒りを感じた。
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