【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第28章 始まりはすぐそばに
男たちは、その旗印を見て少し悲鳴を上げた。
『ここ…私たちの縄張りで…争い事は禁止されてるの。この意味わかる?』
旗を背に私は男たちに問うた。
「し、白ひげがなんだってんだッ!!」
「俺たちはそんなのに屈っしねェッ!!」
『…いいねェ…そのルーキーならではの怖いもの知らず…嫌いじゃないけど。相手とその数は確認するべきだよ?』
「女1人が何言ってんだッ!!」
「お前なんて…ッ!!」
男たちは自分の周りにいる人たちに気が付いたのだろう。健康診断をしている者以外は皆んなが上陸してるのだ。その島で騒ぎが起これば確認しに来るのは当たり前だ。
「なーにしてんだよい。全く」
「俺女の子達とデートなのよ?」
「飯食いてェんだけど…」
「ま、まさか…た、隊長格の」
『女の子と遊んでるなら来なくていいのに。私、1人で問題ないよ?』
マルコの隣にも、サッチの隣にも島の女の子達がついており、夜にそれなりのことをしていたことを伺える。エースはきっと他の仲間に無理やり連れてこられたたちだろう。
「そうはいかねェよい。親父の島で争い事はなしだよい。」
「アンちゃんは揉め事ばっかり起こすねェ〜」
『私が悪いみたいに言わないで…』
「いや、お前が悪いだろ…そんな格好してるからだろ?」
『エースに言われたくないけど。』
「お、おい!!無視すんなッ!!」
「だいたい…なんなんだよッ!!お前は!!」
『私は…「「「俺たちの妹だッ!!!」」」…なんで先に言うの…』
「い、妹ってことは…白ひげの…ッ」
『そう…団員だけど、何か?』
キッと睨みつけると、男達は逃げていった。
『じゃ、そう言うことなんで…女の子達と仲良くしてくださいね』
後ろ向きのまま手を振り、その場を去ろうとしたら止められた。
「お、おいッ!!待てよい!!」
「ちょちょちょっと待って!!アンちゃん!!」
『何?男の人の事情も聞きたくないし、女の子連れてるの見て幻滅してるわけでもないから安心してくださいね。男の人には大事な事情があると親父様も言ってました。それでは』
ぽかんと口を開けていた2人を他所に、また町の中へ歩いていった。
街はどんどんと賑やかになっていき、もう時間が昼過ぎになるのかと思った。
「お、アン」
『イゾウ…も女の子連れてるんだねー。健康診断終わったんだね』