【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第28章 始まりはすぐそばに
『エースは女の人、買いに行かないの?』
私の言った一言は船中をシンとさせるには十分な声量だったようだ。
『何か変なこと言った?』
「俺は女とか興味ねぇし、勝手に寄ってくるし、ヤりたいときにモゴッ「わーわーわー、何も聞こえないー!!」モゴゴ」
ハルタがエースの口を塞いでしまった。
『…何してんの?』
「あはは…エースったら余計なこと話さないでよ?みんなの印象悪くなっちゃうでしょ?(小声)」
エースはハルタに何か言われたのか、頭を縦に大きく動かしていた。私の頭にはハテナが浮かぶばっかりだった。
「グララララ、察してやれ…そこまで子供じゃねェだろォ」
『うん…そりゃ知識としてはいくらでも。』
「男は本能で生きる生き物なんだよ、グララ」
『ふーん…ねぇ、もし私が誰かの嫁に行くってなったらやっぱり親父様は悲しい?』
「グララララ…愚問だなァ。」
「そりゃ悲しいに決まってるよい。」
「そうだ、親父だけじゃなくて俺たちもなッ!」
「俺は認めねェ!」
「そんな話はしてないよ!」
「そうさね、大事な妹が選んだ男だ。しっかり(見極めて)祝ってやるよ」
『そっか…ありがとう。お兄ちゃんたち!!』
嬉しい言葉に笑顔が溢れる。お礼を言うと皆はそっぽを向いていた。照れてるんだろうか。
『お腹減ったし、ご飯でも食べに行こう』
と塀に足をかけたときだった。
「「「いやいやいや待てッッ!!!」」」
「グララララ! 学習しろォ。」
『あ、そういえば一人でいっちゃダメなのか。』
「「「当たり前だッ!!!」」」
『じゃあ…親父様ッ!デートしよう?』
「グララララッ!! それもいいなァ!!」
「ばか言ってんじゃねェよい!!親父ダメだよい!!」
「グララララ…冗談だァ…マルコ、エース…付き合ってやれェ」
「仕方ねェよい。」
「しゃーねェなー!!」
『じゃ、行ってきまーす』
くどくどと何かを言っていた二人を置いて、船から飛び降りた。健康診断も順調に終わっているようで今は4番隊がしていた。なぜ分かったかと言うと…
『船の外にも叫び声が聞こえてるもんねー。』
「「「女ァァァァァ!!!」」」
流石に叫び声…変すぎだから。
「女なんてそこらへんで捕まえりゃいいのになー。」
「エース…それができるのは俺たちぐらいなんだよい」
『ほんと…男もそこらへんにいるしねー』