【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第27章 会うことはないという願い
上から降ってきた火拳は…私の肩を持つ青キジの手を払い、強く腕を引かれて納まった先は…いつもの暖かさをくれる2人だった。
「俺の妹に触ってんじゃねェッ!」
「こんなところに大将1人で何の用だよい」
「そりゃ、こっちのセリフだっての。いい感じでアンちゃんを引き込んでたのによー。」
「あ?」
『…なんでここに。』
「親父の勘は当たるんだよい」
「そうだッ!ってなわけで帰れ!」
いーだと子供のような顔をして追い返すエースにマルコが叱責を入れた。
「油断してんじゃねェよいッ!」
「ほんとほんと。俺がそんなに弱そうに見えるの?」
「いや、強え…でも…」
『2人相手…いや、3人相手なら引き下がるのが普通でしょう?』
エースに支えられていた身体を起こし、青キジを睨みつけた。
「その海楼石背負って俺の相手できちゃうんだね。アンちゃんは…はぁー何言われるかわかんないけど。今日は引こうか。あ、アンちゃんささっきの話考えといてね。」
『え?』
「ほら、ちゃんと伝えたでしょ? 俺本気だからー」
青キジはどこからともなく出てきた自転車に乗って、また海を走っていった。
〔女神…人間…食べていい?〕
『だめ…放って置いて…この氷はすぐ溶けるからね。』
「おい、誰と話してんだ?」
「アンよい。」
『…下。』
指差すと、2人の視線は下に向く。すぐに驚いた声を上げた。
「か、海王類ッ!!!」
「逃げねェと!!!!」
『大丈夫…それよりありがとう。エース。マルコ』
「…全く…1人でどっか行くからこんなことになんだよい。」
「気を付けろよ…元海軍なんだから。っつか、さっきの話なんだよ。」
『…あれは、まあ、ね。』
とてつもなく言いづらい…特にこの2人には。
「ほォ…助けに来た俺たちに内緒なことかよい?尋問がいるかねい」
『いや…全然大したことじゃなくて…その』
「早く言えよ…まさか海軍に戻れって言われたのか!?」
『違う違うッ!!…好きだったって言われた…』
「「は???」」
『冗談だと思ってんだけど…違ってたみたいで…もういいでしょ?早く戻ろ?』
((あの野郎ォォ!!!!))
2人は何やらメラメラと燃えて出していたので、氷が次第に溶けて足場は完全になくなってしまった。
「うわッまずッ」
「やべェよい!!」