【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第27章 会うことはないという願い
Side.Ace
健康診断もアンのおかげで無事に終わった。
「マルコー、アン知らね?」
「お前と一緒に行動してた俺が知ってるわけねェだろい?」
「だよなー。」
海水の手で肩掴まれた時は、我が妹に殺意が湧いたが…そこは問題じゃねェ。
「親父なら知ってるだろい。」
「おう、そうかッ!甲板行ってくるー」
ダッと走り出すと、血を抜かれたせいか少しフラフラもしたが関係ねェ。待ちくたびれて暇をしているであろう妹のところに走っていった。が、甲板にその姿はなく、親父が1人で海を見ていた。
「親父ー!」
「グララ…エースか。おめェ、ナースたちに迷惑かけたらしいじゃァねェか。」
「いや、能力のせいだから仕方ないって!それより、アン知らね?」
「グララララ…相変わらず妹離れができてねェな。アンは散歩だって海に行ったぞォ」
「散歩?」
「あぁ…だが、悪いがマルコと迎えに行ってやってくれ。どうにも胸騒ぎがしてなァ。」
親父は眉間にシワを寄せ海をまた見る。そんな時だった腕や脚に感じるチリチリした感じ…。
「ッて…なんだ。」
腕を見るも何も傷もなく切れた後もねェ。まさか…
「親父ッ…アンに何かあったんだ。」
「なぜそう思う…」
「俺たちは感覚を共有する時があるんだッ…痛みが…俺には傷がねェ…ってことは…アンに何かッ!!」
「分かってるなら行くよい。」
バサっと大きな青い鳥が目の前に降り立った。
「マルコォ…頼んだぞ。」
「わかってるよいッ!!」
マルコの背中に乗り、気配を探る。新世界では見聞色の覇気という奴がいるとマルコたちから聞いた。まだ全然使いこなせてねェしほぼ勘だが…妹の気配くらいならと言った感じだ。
「おいおい…まさかない」
下を見ていたマルコが声を漏らした。同じように下を見ると、そこには一面氷の地面…そこに立つ男女。
「なんで…アイツがッ!!」
「エースッ!急降下するよい!!」
マルコが勢いよく降下していった。
「アンにさわんじゃねェッ!!!!」
アンの肩に乗っていた手、目掛けて火拳を振り下ろした。
「あーらら…来ちゃったのね。1番隊隊長不死鳥のマルコと最近話題のルーキー…ポートガス・D・エース」
アンをこちらに寄せて、相手を睨みつけた。
『エース…』