【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第27章 会うことはないという願い
「氷河時代:アイスエイジ」
青キジさんの言葉を合図に戦闘は始まった。近辺の海がどんどんと凍っていく。私にも足場ができている。
『範囲は10kmってところですか。』
「あんまり大きいと逃げられちゃうでしょ?」
『大きさなんて関係ないですよ。結果的に私は逃げますから。』
「逃がさないよッ」
氷の矢が飛んでくる、冷たい空気が頬をかすめる。
「ほんとに傷つけたくないから、諦めて欲しいんだけど。」
『それなら、帰ってください。』
青キジさんが近づいてくる。これ以上先に行かせるわけにはいかない。今もみんながまだ健康診断を受けてるんだ。
「なに、俺の道塞いじゃって…そっちに行かせたくない理由でもあんの?…いや、そうか。」
何かを察したようだ。
「白ひげの奴らがその向こうにいるんだな?だから、俺が行かないように抑えてるってところか?」
『…お察しがいいようで。』
「なるほどね。ま、でも安心しなよ。今はそっちより海軍の裏切り者と言われているアンちゃんを捕まえる方が重要だから…もうすぐ仲間も来るだろうし」
『…仲間は来ません。ちゃんと追い返しておきましたよ。』
にっこりと笑顔で返すと、青キジさんは引きつった笑いを返してきた。
「ほんと腹黒いよね〜」
『何処がですかッ!!!』
氷の刃と水の刃が交わるが…ピキピキと自身の刃は凍っていく。
『ほんと…あなたにだけは会いたくなかったですよ』
海水一回かけようか…海王類ならこれくらいの海なら砕けるよね…でも青キジさんとか容赦なく殺しそうだし。
「考え事? 余裕だねッ!!」
青キジさんはその長い脚を利用して、蹴りを入れてきた。もちろん氷を纏っているので防いだが腕が少し凍りつく。
『ッた…!!』
「あらら?さっきは威勢のいいこと言ってなかった?」
『負けませんよ…でもあなたには死んで欲しくないので忠告しておきます。能力最大で使ってください…ねッッ!!!』
バンと脚に覇気を纏い、凍って作られていた地面を砕いた。
「おっとッ…なかなか荒いことするね。」
『ちゃんと忠告はしておきました。家族の場所も知られてしまいました。そして、あなたの地面はそこだけ…お引き取り願います。』
「妬けるねェ…そんなに家族が大事なの。」
『当たり前です。』
「そんな君が好きだった…よッ!!」
お得意の氷の技は油断した私には効いた。