【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第27章 会うことはないという願い
『どういうつもりですか。』
足場を安定させるための氷の冷気が漂ってくる…
「どうもなにも話するには、俺は足場作らなきゃ沈んじゃうでしょうが。」
『…話することはないんですが。』
「そうは言ってても俺から離れてかないのは…優しさかな?」
『今離れると海王類が襲ってきますがよろしいですか?』
「え…」
『ほら…』
前を指差すと、海を凍らされて少し怒っているのか海王類がちらほらと頭を出していた。
「おぉ、怖ッ…」
『青キジさんが海を凍らせるからですよ。通り道が凍って苛立ってるんです。』
「えェ…じゃあ俺今までもかなり怒らせてたんじゃ…」
『まぁ…それなりに。それより話ってなんですか?』
「……いや、これと言ってはないんだけど。」
カラカラと笑うその姿は昔となにも変わらなく…いや、昔よりも少し気が楽そうだ。
「俺さ…結構、アンちゃんのこと好きだったよ。厳しいし、仕事の鬼だし、でも優しいところあるし、他の男どもの好意に気づいてない鈍感さとか危うさとか…気に入ってたんだけど。」
『……』
「海軍内で起きたことで、もう生きてないかもしれないとも思ったけど。無事に生きてて安心した。」
『うん…』
「ってなわけでさ、海賊にいるアンちゃんは俺の捕獲対象な訳…自分の手配書見た?」
『えぇ…Only aliveと書かれてましたね。この力のせいですかね。』
「そうみたいよ。」
青キジさんは下ろしていた腰を持ちあげて、パキパキと空気を凍らせてきた。
「ねぇ…アンちゃん。俺さ思ってたことあるんだよね。」
『なんですか。』
「君に一番効く能力って…氷だよねー。」
そう…もともと海の力を使っている私に敵はいないと思いたいが…実は、水自体を凍らせてしまう氷の能力とは相性が悪い。その他、クロコダイルのように水分を奪う能力、完全に水分を蒸発させられれば炎やマグマにも負けてしまう。今までなぜ負けなかったのかというと、それは…私が戦う場所を考えていたからだ。
『海が近くにある限り、私は負けません。青キジさんの凍らせる能力にも限界がありますよね。』
「さすが…俺の補佐をしてただけあるよね。ほんといいとこ見てる。でも、手加減してあげれない。これも俺の仕事だから。」
『もちろん、手加減なんていらないですよ。前から思ってたんです、大将とガチンコで戦ってみたいって』