【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第25章 新しい仲間
Side.Ace
「さて…2番目のことだが。」
「おいおい、今のエースのが2番目じゃないの!」
「あれはついでの補足だよい。それよりも重要なんだよい」
急に雰囲気が重くなった。なにが始まるんだ。
「…アンに求婚してる輩がいるようだよい。」
マルコが告げたその一言は俺が想像していたものではなく一瞬ポカンと口が開いてしまった。
「それはどこの情報だ。」
「なに、噂話?」
隊長たちはいつになく真剣な目で語り合っていた。
「さっき、本人がゲロって逃げたよい。」
「ほぉ…我らの末妹に…どこのどいつかは目星がついているんだろうな。」
「それを聞くためにエースをここに残してるんだよい。」
「なーるほど。」
隊長たちの視線が先ほど同様に俺に向かう。
「え、いや…あの」
「おまえなら知ってんだろい?アンに求婚した相手。」
「いや、それが…あんまり詳しく聞けてねェってか…覚えてねェってか。」
「なんでもいいから、思い出せッ!」
「…確か…シャン、ドフィ、ベックとか言ってたか?あと、ジジイが紹介したとかなんとか…」
「結構覚えてんじゃねェか。」
「おい、シャンって前に聞いたさね。」
「あぁ…乗ったばっかりの時だったか?」
「シャン…ドフィってまさか…あの桃色のやつじゃないよね。」
「まさか…関わる気がないだろ?」
「いや、海軍の時に接触してるなら話は別だ。」
「ベックというのは…赤髪のところのやつか。」
「グララララ…あの小僧。諦めてなかったか…」
“怖ェ”と正直に思った。この隊長たちとんでもねェくらいアンに執着してやがる。
「あ、あと。次の島で船員身体検査と補強するよい。覚えとけ。」
「すっごいついで風に大事なことさらっと言ったよ。」
「アンの求婚者はなんとか調べてはかせるよい。あとは…船員補強でナースとか諸々入ってくる予定だよい。」
「何事もなきゃいいけどな。」
「そうだねい」
「ちなみに、次の島には何時ごろ?」
「明日くらいじゃねェかよい。」
「理解した。」
以上といった声を合図に隊長たちは部屋をはゾロゾロと出ていった。その夜はドーマの歓迎の宴が開かれた。アンと俺はギリギリまで報告書作りを強いられていた。
『エースのせい…』
「悪かった。」
2人で席に座って何かするなんて何年ぶりだろうと心で思っていた。