【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第25章 新しい仲間
下を俯いて、こちらを一切見ようとしないエース。
『どうしたの?』
「……」
『エース??』
「…ごめんッ!!暴走した俺のせいでそんな怪我して。お前の静止を聞かずに…おれッ!」
エースはあの時の行動を悔いているようで私と一切目を合わそうとしない。90度になるんじゃないかと言うほど頭を下げている。
「ほんと…すまねェ!!」
何度も謝るエースに私は拳骨をお見舞いしてやった。もちろん覇気を纏って…。
「いってェ!!」
『何度もッ!!何度も謝るくらいなら最初からすんな!!エース1人で行ってたわけじゃないのに!!仲間を置いていくのがこれからみんなを率いていく奴のすることかッ!!』
「…す、すまねェ」
『本当に…いい加減にして。突っ走って…怪我して。昔から何も変わってないじゃない。』
エースの頬についた傷を手で撫でるとエースの手が重なった。
「あったけェ…本当よかった。アンが死ななくて。」
『死なせないようにしっかり守ってよ。』
「おう!」
エースの顔はいつもの笑顔に戻っていた。
「それより、お前傷はどうなったんだ?」
『あぁ…塞がってたよ。不死鳥の力でしょう?』
「よく知ってんのな。俺は見たとき焦ったのによ。」
『そりゃ伊達に海軍中将してないから。』
「あ、そっか。」
『じゃ、私行くとこあるから。』
「は?寝てろよ。」
『いや、こんな血塗れでいつまでも寝てられない。お風呂行ってくる。じゃあねー』
エースの静止の声を無視して、自身の部屋へ向かった。血塗れの服を脱ぎシャワーを浴びると、何もかもが綺麗になっていくようで心まで洗われているようだった。
『はぁ…気持ちよかった。』
「な、な、な、ッば、バカッ!!!何裸で出てきてんだよ!!」
シャワーから出るとなぜか部屋にいるエース。
『なんでここにいるわけ?』
「ふ、服着ろよ!!!」
『まだ上がったばっかりなんだから…いいでしょ?ってか、エースには言われたくないし。それより、また入ってきてたら怒られるじゃない?』
「鍵閉めたから大丈夫!」
グッと指を立てて笑顔を見せるエースに少し呆れ、服を取り出して着替えた。
「おまえ…その傷」
私の身体には3つの跡がある。2つはカージマスの時におった銃弾の跡、あと1つは先日の傷だ。
「わりィな…肌に跡残っちまった。」
『いいよ…こんな肌見るのエースだけだし。』