【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第25章 新しい仲間
目を開けると白い大きなどこかにいた。何もなく、現実ではないとすぐに理解した。
『私…死んだ?』
「いや、生きてるだろ。」
『え?』
後ろを見るとそこには、何度も手配書で見た顔。そして隣で微笑むピンクブロンドの髪の女性…。
「好きなことやってるか?」
『…ーー』
「なんだ?」
「いいのよ、自由に生きて…なんだってあなた達はこの人の子供なんだから。」
「ほら、呼んでんぞ?寂しがりやの兄貴が。」
「長生きして頂戴ね。お兄ちゃんをお願いね。」
ぼやぼやと消える影…追いかけても追いつかない2人。
ーまって…ねぇ!待ってッ!!
『お父さん…お母さんッ!!』
息が少し荒くなり、額にしっとりと汗ばんでいる…周りを見るとそこは見知った光景…。
『…私、生きてる。』
カーテンで区切られていたが、どこかはすぐにわかった。消毒液の匂いと、真っ白な布団。扉の外から聞こえるうるさい声。
「だーかーらー!起きてるかもしれねェだろ!?」
「まだだって言ってんだろい!!」
「ってか、お前だけ入室できるってどーなのよ!!」
「僕も見舞いたい!!」
「開けろ!!」
「うるせェよい!! 隊長達がおどおどしてどうすんだよい!!」
「妹が心配なんだ!!」
「アンは俺の妹だ!!」
「まだ起きてねェって言ってるだろい!!」
病室の扉の前でよくもまぁあそこまで騒げるものだ。起き上がると少し傷口が痛んだような気がしたが…見るとそこには傷はなく跡だけが残っていた。
『どうなってるの?』
とりあえずうるさいのをなんとかしないと…と思いすぐに扉を開けた。
『ちょっとうるさいんですけど?』
一気にシーンと空気が鎮まり、みんなは唖然と口を開けているだけだった。
「お、おまッ…おま!」
「起きたのか!?」
「起きたなら声かけろい」
「全くッー!心配したんだよ!?」
『心配させてごめんね…怪我、マルコが治してくれたんだよね。ありがとう。助かった!』
「…よい」
「マルコのやつ、照れてるぜッ!!」
「あはははっ!!長男が照れてる!!」
「…お前ら、覚悟はできてるかよい?」
マルコはサッチとハルタの逃げた方へ走っていった。これから海に落ちるか落ちないかの攻防があるんだろう。
「無理するなよ。」
そうみんな、声をかけてくれてそれぞれ戻っていった。ただ1人を除いて…。
「アン…」