【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第24章 腕試し
燃えていた部分に海水がかかり、炎は鎮火されていった。
『はぁ…はぁッ…ゲホッゲホ』
「大丈夫か!!」
ゆらりと視界が霞んだ。流石にもう無理だと思ったとき体はどんどん重く前のめりになっていった。
「アンッ!!!」
地面に倒れることはなく、駆けつけたエースに抱き留められた。
「アンッ! 起きろよッ!」
『エース…暴走しない…でよッ全く。』
「うん、悪かった…すまねェ…だから、な。もうモビーに戻ろう。早く見せねェと。」
『…そうだッね…早く…帰ろ…ぅ』
重い…身体も目も開かない。だんだん冷たくなる身体に少し深海の冷たさを感じた。
「おいッ!!寝んなッ!!起きろって!!アンッ!!」
エースの声がだんだん遠くなっていった。
Side.Ace
「おいッ!!アンッ起きろって!!!」
「このままではッ!!!」
「医者…医者はッ!!!」
島民たちは俺たちを避けて、近寄りもしなかった。
「妹なんだッ!!!助けてくれ!!!」
どれだけ声を張ろうが近寄ってくるものはなかった。陸からは…
「全くよい…様子を見にきてみれば…」
空から降りてくる青い鳥…
「マルコッ…頼む!!アンがッ!!!」
「うるせェよい!!ちょっと黙ってろい!!!」
マルコはゆっくり人間に戻ると、アンの首元などを触り何かを確認した。
「息はある…ならッ!!」
青い炎がアンの身体を包んだ。
「おい、何やってんだ!!!!」
「待て! エース!!」
「ドーマ…」
「これは再生の炎だッ!不死鳥の炎は全ての傷を治すときいた。」
「全てじゃないよい。」
マルコの手は刺されていた腹部に置かれたおり、再生の炎を当てていた。
「治りが悪りィない。なんの傷だ、こりゃ?」
「…海楼石のナイフだった。」
「あいつら…刺さってたナイフをさらにえぐりやがってッ!!」
「弾じゃなくてよかったよい…弾なら、手術がいったからない。」
ゆっくりとだが塞がっていく傷口に俺は安堵を漏らした。
「お前がドーマかい。」
「あぁ…」
「エース…状況はどうなってんだい?」
「あぁそれは…」
「降伏したんだ…その女にも助けられた。これ以上、醜態を晒すわけにはいかない。ドーマ海賊団は白ひげの傘下に下る。」
「そうかよい…親父には伝えてやる。」