【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第24章 腕試し
『ッ…!』
全くどれだけ痛い思いをしなければならないのか…腹部にあるナイフもそのままに、さらに人質になり首にまた切り傷。本当にいい加減にしてほしい。頭はかなり冷静で…どう脱出をするかばかりを考えていた。
「おい…これ以上おれの妹に傷付けんじゃねェ」
ドスのきいた声とはこういう声のことなんだろう、がしかし男たちには分かってないようでまたもや馬鹿な挑発をしてきた。
『グッゥ…イッ…ぁ』
男たちは海楼石のナイフをさらに深く沈めた…どんどん痛みを増していく腹部に本当に意識が飛んでいく思いだった。
「…ろ」
「何ー?聞こえねェな?」
「…やめろって言ってんだよッ!!」
大きな爆発音…目の前に感じる熱さ…掴まれていた首や男たちは私の近くからいなくなった。周りが燃えている。
「うぁぁぁッ! 熱いッ!!!」
「燃えて…俺がッうぁ!!」
エースの炎が爆発したとすぐにわかった。近くにあった民家も近くにいた男たちも…丸焼け…轟々と炎が燃えていた。
「…俺の…妹は…」
エースは何かを口々に叫んでいた。私も先ほどの爆発で民家の中にまで飛ばされていた。海楼石が刺さってる今、水にならない私は焼け死んでしまう。そう思った時だった。奥の部屋からキーキーと猿が泣く声がきこえた。
『ま…さかッ…』
痛む傷を抑え、奥に向かうと案の定ドーマとそのペット猿がベッドで寝ていた。部屋はどんどんと赤く染まり炎が燃えている。
『ドッ…マ!! 起きて…ッ!!』
「うっ…」
『目を…開けてッ早く!!』
猿の鳴き声と私の声が届いたのかドーマは目をうっすらと開けた。そして状況を確認したようで起き上がり猿を自身の近くに抱えた。
「そのマーク…白ひげの奴か。どういうことだッ!脱出はッ!!」
『黙ってッ…ドーマ…あなたにこれッを抜いてほしい。』
指差す先にあるのは、海楼石のナイフ
「そんなもの抜いてどうなる!!このままではッゲホッゲホ!!」
『死にたくない…なら早くッ!!!』
「ッ!!! 一気に行くからなッ」
グッとナイフが引き抜かれ、独特の倦怠感は消えた。その代わりに多くの血が流れ出ていた。
「おいッ!! 死ぬぞッ!!」
『黙って…て。』
大気中の水は乾燥してしまい、ほとんどない。私は海から水を引き上げた。
『か…いりゅう…ッ操作ッ!!!』