【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第24章 腕試し
「こちら、マルコだよい」
[13番隊先発部隊です。次到着予定の島にて海賊ドーマの旗を確認。どうやら待ち伏せているかのように停泊しているようです。]
「おぉ…そう来たか。わかったよい。引き続き監視を、変化があればすぐに連絡を。」
[はっ!!]
ガチャと音がして、少し空気が重くなったのを感じた。
「アン、エースを呼んできてくれるかい?」
『あ、はい。』
どうやら急ぎの案件ができたようで、マルコは少し複雑な顔をして考え込んでいた。部屋を出て、甲板で訓練をしていたエースに声をかけると2人で執務室に戻った。
「なんだよ、いきなり呼び出して…」
「お前の初仕事だよい。」
「おッ!!マジか!?!何すりゃいいんだ!?」
「海賊ドーマってのが、親父の首をずっと狙っててねい。しばらく監視をしていたんだが、ついに動きを見せて今俺たちの向かっている島にいるみたいだよい。そこでお前には、ドーマの説得か討伐を頼むよい。」
「は?海賊なら敵だろ?なんで説得??」
「俺たちは非情な海賊じゃねェんだよい? まずは手下に下る意思があるかないかだ。もしあれば家族として迎え入れる。無理なら切り捨てる…この二択だよい。」
「なるほどね。よしわかった!!」
「あと、戦闘力は申し分ないが…ちと説得には向かなそうだからなエースは…アン、着いてってやれよい。」
『…はい。』
「お、2人で仕事か!! 頑張ろうな!!」
エースは早く戦いたいという一心で、他の注意点についてはあんまり耳に入っていないようだ。
「全くよい…アン、ドーマはかなり頭がいいと聞く。お前たちに限って油断はないと思うが…気をつけてくれ。」
『はい…エースにはまた後で言い聞かせておきます。』
「頼んだよい」
私とエースは小舟を一隻もらい、私の能力で近くの島へ向かった。その途中、勿論エースには注意事項を何点か話したが耳に残ってるかどうか。マルコさんがくれた資料からドーマの旗や特徴を覚えた。
『いい、エース…遊騎士ドーマは猿が近くにいて、その猿も攻撃してくるのよ。そして、ドーマ自体もかなりの強者よ。』
「おーおー、わかってるって。」
『ほんとにわかってる? 先に説得よ!』
「はいはい…」
エースは適当な返事で私の言葉を受け流していた。ここは全く昔から変わらない。自分はできると思い込んでる。
『もう…』