【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第21章 水の都の危険
ウォーターセブンの朝はとても早い。海に近いことから、商業が盛んなようだ。
「今日の魚はイキがいいよ!! 見てきな!!」
「水水肉〜水水肉はいかが??」
「水水飴もあるよ〜!!」
『すごい…こんなに店があるんだ〜』
昨日は通るだけだったので、あんまりじっくり見ていなかった。
ヤガラブルで見る景色と街を歩いて見る景色ではまた違って見える。ゆっくりと街を探索するように歩いているといい感じのカフェがあったので店に入り朝食食べた。
『ここのエッグベネディクトすっごく美味しい!!』
私は量より質を気にする派だ…昔はよくサボに驚かれたりもした。
ーエースはあんだけ食べんのに?!
ーえぇ…エースが食べすぎなのよ。どこに入ってるのやら。
ー信じらんねェ…本当に双子か?
『本当失礼な発言だったわ…』
「へぇ…お前さんそんなことがあったのかい。」
『そうなの! あの時の2人ったら…え?』
1人で回想に入っていたはずなんだが…席の隣には何故か和服の美人が座っていた。いや、男なのでイケメンの方がいいのか。
「隠れる気ないだろう、お前さん。」
『おはようございます、イゾウさん。別に隠れてないですよ、バレたら追いかけ回してきそうな人が何名かいらっしゃるのでとった行動です。親父様にも許可は頂いてます!』
「そうかい…じゃあ俺には見つかったんだ。少し一緒させてもらおうかね。」
『もちろん!』
カフェに和服とはなかなかアンバランスな光景だが…家族の誰かと食事が久々にできて嬉しい気持ちを抑えられなかった。
「偉くご機嫌だな。何かあったのかい?」
『みんなと別れて、昨日この島に着いたけど…一緒にご飯を食べたのはイゾウさんが初めてなの。だから嬉しくってッ!』
「そりゃ…よかったな。ゆっくり食べな?」
イゾウさんと2人っきりの朝食は賑やかな食堂ではなく、とても静かだったけれども。とっても楽しかった。
『また…一緒に食べてくれますか?』
「…当たり前だろ?お前さんは俺たちの可愛い妹なんだから。」
ポンと頭に手を置かれ、にっこりと微笑まれた。ゆっくりした朝食を終えて、再び街の探索を始めた。途中、リーゼントがいたがバレないように気配を消した。
「あー、本当に帰ってきてたんだ。」
屋根の上から聞こえる声は、少し幼い声だった。
『ハルタッ! バレちゃったのか。』