【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは...
第21章 水の都の危険
『失礼な人ですね…』
このうぶな感じはきっとCP9とはなんら関係ないんだろう。
「ルッチッ!!」
「うるさい奴だクルッポー…お客様だぞ、パウリー…」
腹話術でまたもや鳩が話し出した。
「お客様だと!? こんな小娘が!?!!」
『船を直しに来てるものの連れです。教えてくださいませんか?うちの船長の場所…』
「…せ、船長の名前は?!」
『…エドワード・ニューゲート…白ひげです。クスッ』
「なっ!?!?! お前、本気か!?」
『どう言う意味ですか?』
「嘘を言ってたら承知しねェぞ。白ひげ海賊団はうちのお得意さんだからな。」
『…ほんと、重ね重ね失礼な人ですね。』
「そうだクルッポー…パウリー謝罪しろ。土下座でクルッポー!」
「ふざけんなッ!!俺は顧客の情報は流さねェからな!」
『そうなんですか?すごい、真面目な方なんですね。でも、早くしないとお兄さんたちに怒られちゃうのでこれでお願いします。』
お金の束をパウリーさんのポケットに忍ばせるとすぐに上機嫌になりペラペラと話してくれた。
「モビーディックはでかいからな、造船所には持ってこれねェ。だから、西の入り江に停泊して修理してんだよ。」
『ありがとうございます!』
「馬鹿だクルッポー」
『じゃあ、ここにはいないってことですよね。私はこれで…もう会いたくないですけど、またルッチさん。』
「クルッポー。」
繋いでいたブルに乗り込むと、ブルに西の入り江の方に連れていってもらった。
「ごめんね、ブルくん。はい水水肉。」
〔わぁ、ありがとう!!!〕
ブルくんは美味しそうに頬張りながら、西の入り江に向かってくれた。途中…リーゼントの人やら、倭の国の人やら、いたけれど見つからなかったのでよし!
西の入り江に着くと、そこには懐かしい白い鯨が停泊していた。
『ただいま…モビー』
貸しブル屋にブルを返して、船に歩いていった。島では各々自由に過ごしているようで、船の中の気配はそんなになかった。
海の方から水を持ち上げて、甲板に上がるとそこには待っていたかのように親父様がドンと座っていて、傍にマルコさんが立っていた。
「グララララッ…どこの賊かと思ったぞ?アホンダラァ」
「全く末妹は礼儀がなってねェよい」
『ごめんね…サプライズしたかったんだ!ただいま、親父様! マルコさん!!』
「「おかえり…アン」」