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御人様は眠くなる【十二大戦】

第1章 第1章 開幕


復活だなんて、まるでゲームのラスボスじゃないか。そんな物騒なモノを持った覚えは無いし、これから先持つ気も無い。一体全体、自分にどんな〝力〟があるというんだ…。思えば、彼がそんな話を持ち掛けてくるということは、その〝力〟があの大戦に通用するモノだということになるのだろうか。本当に叶えてみないか?という誘いの理由も、これで説明がつくはずだ。

さて、考察をしてみよう。彼は〝力〟を授けるのではなく、復活させると言った。復活するとは、逆に言えば封印されていた事になる。つまり、元から私の中にあったモノだと言える…はずだ。

「…でも今まで、周りで怪奇現象が起こった事も、大怪我や入院経験もない」

「ええ。その〝力〟はこちら側の世界だからこそ、発揮できるモノなのです。ですので、この世界では〝無〟と言ってもいいでしょう…」

…なるほど。しかし、これだけのヒントが分かっているというなに、大事な所が分からない。知りたいのは内側なのに、入ってくるのは外側だけ。
…本当によく出来た夢だ。変な汗が出てくる。
むしろ、これが現実だと受け入れた方が、気持ちが楽になる気がする。
いや、無理だろう。これを現実と受け入れるのは、頭がお花畑な人ぐらいだ。

「…おっと。そろそろ時間が迫って参りました。お嬢さん。決断の時です。どちらを選ぶも貴方様次第でございます」

さあ、そう言って手を差し伸べる彼。
差し伸べるも何も、さっきまで掴んでいたじゃないか。何が、さぁ、だ。
それにここまでくれば、どんな選択肢があるのか、大方予想はつく。
2つだ。私は片方を選ばなくちゃいけない。別に選ばなくても、これ夢だからいいのだけれど…。変なリアリティさから、私は選ばなきゃこの夢から覚めないという思いでいっぱいだ。

「お嬢さん。これは選択という名の未来なのですよ。

夢を願いに繋がるか。
願いを夢にしてしまうか。

どうか、真実の言葉で選んで頂きたい」

そんな事言われたって。夢は夢だから夢と言うんだ。
ここで選ばなくとも、ここに立ち竦んでいれば、いずれこの長い夢も終わる。

しかし、ふと思ってしまった。
思うままに、願うようにこの選択をすればーーー


本当に叶ってしまうんじゃないかって。
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