第3章 再会元カレ
角度を変えて、唇を貪るようにキスをしてくる。
離すと、糸を引いて唾液が滴る。
手で拭くと、ジャックが抱き寄せて耳元で言う。
ジャック「今度はベットのあるところで続きしよう」
そう言って倉庫をバラバラに出る。
私が倉庫から出た後には、ジャックはもう居なかった。
トリック「アリスなんで倉庫から出てきたんだ?」
マスターが近づいてきて言う。
マスター「それはですね、私が怖い海賊から隠れてて下さいと言って倉庫にアリスさんを置いていたからですよ」
まさか今日会ったばかりのマスターが誤魔化してくれるなんておもいもしない。
トリック「船に戻るぞアリス」
呼びに来てくれたんだ。
いつも私を呼びにきてくれるのは、トリックだ教育係りだからの理由だろうなぁ。
私の方を改めて、トリックが見て言う。
トリック「アリスそのネックレスどうしたんだ?」
胸の下まである、ネックレスは小さな箱で色は黒。
小箱のようにも見える。
開けると、コンパスだ。
トリック「それ、コンパスじゃねぇか役にたつから持っとけ買ったのか?」
買った覚えがない。
アリス「これ? その・・・落ちてたから拾った」
多分ジャックが付けたものだろう。
このコンパスも北を指さないのだろうか?
トリック「船に戻るぞ、船長が呼んでる」
アリス「うん、呼びに来てくれてありがとう」
船に戻ると、街を出港した。
自分の部屋に戻って。
コンパスを開く。
指してる方向は真っ直ぐで、今進んでる方向指してる。
今ジャックにこのコンパスを聞くこともできない。
どうして渡したのか。
わからないまま
マンマ「ご飯だよー!!」
声が聞こえて、部屋を出て食堂に行く。
夜ご飯を食べ終わって自分の部屋に戻る。
コンコンとノックをされて、返事をするとロレッタが部屋に入ってきた。
ロレッタ「入るわよ、アリス吹っ切れた?」
いきなり何の話だろうか?
アリス「何の話?」
ロレッタ「ピーターのこと」
頭をポンポンとされる。
今でも想ってる自分がいる。
アリス「全然吹っ切れてない」
ロレッタ「そうよね、簡単には吹っ切れないかもしれないけど思いっきり泣くのも手よ」
今泣けと言われても泣かないよ。