第4章 もう一人の幼馴染
昔からルルーシュはシュナイゼルが苦手だった。
いつも貼り付けたような笑顔で、誰にでも優しい。
だが、ああいう男は
まるで花を摘むように容易く人の命を奪える冷酷な男だと幼心に確信していた。
否、彼にとっては自分以外は動物かなにかとしてしか認識してない…そんな恐怖すらあった。
それなのに彼のカナへの思いが手に取るようにわかってしまう自分自身がルルーシュは許せなかった。
シュナイゼルと同じ血が流れていることを証明するこのアメジストの瞳も、今すぐくり抜いてやりたい。
「る…ルルーシュ…」
カナの口からルルーシュの名が告げられる。
ルルーシュはカナの顔を覗き込むが、彼女のまぶたは閉じられたままで、ただの寝言だということがわかる。
「ふ…」
彼女に寝言で自分の名を呼ばれることがこんなにも嬉しく感じるなんて、自分も相当彼女に毒されている。
そんなことをルルーシュは思っていると、そばにいたC.C.は深いため息をついて腰を上げた。