第4章 もう一人の幼馴染
それからすぐカナはルルーシュのベッドを占領するかのように眠った。
疲れて幼子のように安心しきっているカナの寝顔はルルーシュの記憶の中の彼女となに一つ変わっていなかった。
「それにしても警戒心なく眠っているな、久々に再会したお前のそばで安心しているのか、よほど疲れていたのか…」
「どっちもだろ」
ルルーシュはベッドに眠るカナのすぐ隣に腰をかけ、額にかかったカナの前髪を優しく払ってやる。
んぅ…と小さく身じろぐ反応をみせるカナがとても愛おしい。
きっとシュナイゼルは毎日カナの寝顔を見て、同じような感情を抱いていたのだろう。
ただそれだけのことなのに苛立つ感情に支配されたルルーシュは、奥歯をギシッと音を立てて噛み締めた。
そんなルルーシュを見逃さなかったC.C.は愉快
そうに笑った。
「どうやら皇族というのは皆シスコンのようだな。お前より上がいるとは私も思わなかったよ。なぁ、ルルーシュ」
C.C.はルルーシュをわざと逆なでするように…否、彼の反応を見るためなのかからかうように言った。
「ああ、早く始末する必要があるようだ。カナのためにも」
カナから聞いた腹違いの兄…否、シュナイゼルのカナの行動は眉を顰めるほどに異常だった。
自分も相当ナナリーに目をかけているが、シュナイゼルのカナへのそれはそれ以上だった。
おそらく本当にやつは彼女を一生手放す気などないだろう。
たとえどんな手を使っても、たとえ何人の犠牲を出したとしても自分の元へ置き続けるにに違いないとルルーシュは直感した。
そして、彼はカナに自分は絶対的な存在とうまく植え付けている。
カナをとことん甘やかし、優しくして、それでいて絶対的な束縛。
元々昔から人に甘えて生きていたカナの本質をうまく利用したやり方だとルルーシュは思った。
カナが言っていたユフィとの面談はシュナイゼルなりの最大限の譲歩なのだろう。
本当はユフィと合わせるのもよく思っていないはずだ。