第4章 もう一人の幼馴染
「だがカナの両親は…」
ルルーシュはその先の言葉をつまらせた。言いづらそうにするルルーシュの不器用な優しさにカナは笑った。
「うん、ブリタニアに殺されちゃった。知ってたんだね。でもシュナイゼル兄様は私を捨てようとはなぜかしなかった」
兄様ーーー。
カナの一言をルルーシュは聞き逃さなかった。
離れていたたった数年がカナに新たな心の拠り所を作ってしまったことをルルーシュは実感した。
まるでナナリーが自分を呼ぶようにシュナイゼルを兄様と慕うカナにルルーシュは憤りのない怒りを感じて、拳を握りしめた。
カナはシュナイゼルに騙されている。
カナの両親を殺したのは間違いなく皇族だ。エリア11の侵略に邪魔なのは間違いなく関和だ。
裏を返せば関和が滅べば侵略も安易にことが進む。
しかし関和の家がなければカナはただの少女だ。
あの腹の底のわからない男が権力のないカナ気まぐれで可愛がってるようには思えない。
「くっ…どこまで皇族は罪のない人間を巻き込めば気がすむんだ!!俺達やカナさえも…!」
ルルーシュは感情に任せて、ダンっと壁を拳で叩いた。
か弱いカナ一人さえ救えずにいた自分が情けなくて、吐きそうだった。