第4章 もう一人の幼馴染
「カナ…なぜお前…今までどこに…っ!」
突然の再会で言葉が珍しくまとまらないのは彼も一緒のようだった。
ただ密着した体から伝わる熱い彼の体温と、痛いくらい締め付ける彼の抱擁から、離れていた間の彼の感情が伝わってくるように思えた。
「お楽しみのところ悪いな、私もいるのを忘れていないか?お二人さん」
「っ!!」
C.C.の言葉に飛び離れるようにして、ルルーシュは私の上から離れた。
ルルーシュの顔はうすく赤みかかっていた。
「す、すまないカナ」
「大丈夫…質問の答えだけど、私シュナイゼル様のところにいたの」
「シュナイゼル?なぜお前があいつのとこに…」
カナの言葉にルルーシュは大きく眉を潜めた。
「私、実はあのあとシュナイゼル様の妹として養子に入ったの。私の家…関和家って日本ではそれなりの名家だったでしょ?
政治的に利用されて、だと思うけどとにかくシュナイゼル様の妹として引き取られることになったの」
ルルーシュは押し黙った。
カナの家は名家どころではなかった。日本の中で3本の指に入るほど権力を持つ家。
だからこそカナを当時の日本の首相である枢木ゲンブはスザクよりも大事にしていたように思えた。
そのカナをブリタニアの皇族が利用する材料と考えてもまるでおかしいことではなかった。そう、ナナリーのように。
それにあのシュナイゼルの元にいたらどれだけの月日をかけて彼女を探しても見つからなかったのも納得できた。