第4章 もう一人の幼馴染
「ルルーシュ!!」
「なっ!?」
全くといっていいほど記憶の中の彼と代わりのないルルーシュの姿に衝動的にカナは抱きついた。
伝わるルルーシュの温もりに堪えていた涙がはらりと落ちる。
スザクのいっていたことは本当だったのだ。
本当に彼は生きていた。
それだけでさっきまでのルルーシュに対する黒い気持ちが嘘のように消え、温かい気持ちでとめどなく涙が溢れてくる。
「っ離せ!」
「きゃっ」
ルルーシュに腕を振りほどかれ、そのまま押し倒されるようにC.C.の座っているベッドの上に覆いかぶされ、身動きができないように拘束された。
「童貞坊やにしては随分積極的だな、ルルーシュ」
カナとルルーシュのやりとりを楽しそうに見守るC.C.は口元で笑うようにそう言えば、ルルーシュは顔を歪めてギロリとC.Cを睨みつけ、吠えるように声を荒げた。
「ふざけるなC.C.!ギアスがきかないんだぞ、ふざけている場合か!」
「その女の顔をよくみてみろ、ルルーシュ。お前の愛しの旧友に似ているんじゃないのか?」
「っなに…」
C.C.の言葉にルルーシュは組み伏せているカナの顔をまじまじと見つめた。
ゆがんでいたルルーシュの顔が徐々に驚きで、見開かれていった。
「っカナ」
まるで今にも泣き出しそうな子どもが名を呼ぶルルーシュに、カナの胸はしめつけられた。
そして緩んだ拘束にカナはルルーシュの首に両腕を絡めるようにして、ルルーシュの頭を自身に引き寄せた。
「久しぶり」
ルルーシュに告げた言葉はちゃんと彼に届いているのかわからなかった。
涙ぐんで、声がかすれてしまった。