第3章 第三章 始動と再会
「スザクさん、もしあなたの幼馴染のカナさんが生きていたらどうしますか?」
はぐらかされないように、スザクの目をみながら言った。
スザクの優しさに僅かな期待をこめて。
スザクはカナの言葉に驚いたように目を開いた。
そしてすぐにカナの瞳から逃れるようなにかを堪えるよう視線を落とした。
「そんなことあるはずない…!」
拳を握りしめ、吐き出すようにいわれた。
予想していたとはいえ、スザクの言葉がカナの心に突き刺さる。
まるで、自分の存在を拒否されたようだった。
「そっか」
スザクが悪いわけではない。
きっとこれはなにか理由があるのだ。
そうはわかっていても感情がついていかない。
本当にユフィがいてくれてよかった。
もしユフィがいなかったら、私はきっと発狂してしまっているだろうから
「でも…」
スザクが顔を上げ、言葉を紡ぐ。
「死んでしまったと思っていた僕のもう一人の幼馴染が生きていたんだ。だから…もし彼女が生きているなら」
紡がれたスザクの言葉が信じられなくて、目を見開いた。