第3章 第三章 始動と再会
苦労の末、
ようやくたどりついたのはエリア11と呼ばれる何年ぶりかのカナの故郷。
懐かしさよりもディスプレイ越しにみるよりも目のあたりにした現実は予想以上に深刻だった。
まるで菌が何かのようにイレブンーーー日本人は虐げられていた。
同じ日本人が虐げられているのをみて、カナは胸がいたんだ。
拳を握り締める。
なるべく地味な白いワンピースを一枚きて、シュナイゼルの屋敷から飛び出してきた。
今までシュナイゼルからもらった高価な装飾品を何点か持って屋敷をでたおかげで、金には困りそうにない。
ただそれだけだ。知識もコネも情報も力もない私に本当にスザクが救えるわけがない。
そもそも私はシュナイゼルの妹だから価値があるだけで、私自身にはなにもない。
これではまるで子どもの家出だーーー
後先の考えない自分の無計画さがあまりにも情けなくて、自嘲的な笑みがこみ上げる。
「どいてくださいーーー!!」
天からの声にぎょっとして上を見上げれば、ピンク色の女の子が落ちてきた。
「え!ユフィ!?」
空から落ちてきたのは第三皇女のユーフェミアであった。
なぜユフィが?!そう思ったが、あの高さで彼女が受け身を取れるはずもない。
せめて自分がクッションになればと思い、カナが両手を広げたのと同時に、青年が出てきてそれを制した。
「え…」
青年は落ちてきたユフィを華麗に受け止めてみせた。
突然のことに呆然としたが、とりあえずユフィが無事なことに安堵してカナは二人に駆け寄った。