第6章 ざわつく気持ち*R15
熱で朦朧とする銀時は判断力が鈍っていた
「銀ちゃん…っ」
戸惑う未来の消えそうな声は銀時の耳には届いていない
(身体は冷てェのに、こいつの唇は熱いんだな…)
「未来、もっと…」
その唇の柔らかさと熱さが気持ちいい
無意識の中でその気持ちよさを欲深く求め、未来が離れていかないよう後頭部を手で押さえ、もう片方の手で腰を引き寄せた
未来の唇に視線を落とす瞳
熱のせいなのか、むせ返るほどの色気
病人とは思えないほどの力強さ
唇を優しく食むと次第に深く求められていく
銀時の柔らかな唇
熱い舌先
熱を帯びた吐息
「んっ、はあ…。銀、ちゃん…」
初めての銀時との口づけ
そんな銀時の口づけを拒めるはずもなく、未来は戸惑いながらも銀時の服をギュッと握った
「はァ…」
吐息とともにゆっくりと銀時は唇を離すと、そのまま布団へ倒れていった
そして、すぐに規則正しい寝息が聞こえてきた
今起こった出来事を理解しようと未来の視線は宙を舞うばかり
「…弱ってる時の方が強引なんて、聞いてないよ」
静まり返る部屋
銀時のせいで火照った頬を両手で冷やしながら、自分のうるさく鳴り続ける鼓動の音だけを、銀時の傍らでしばらく聞いていた
「ばか…」