第21章 二人の過去
ジャリッ
ジャリッ
ジャリッ
冷たい風が頬を刺す夜、屯所からの帰り道
万事屋で鍋パーティーをしている途中、抜け出して未来を迎えにきた銀時
(あの頃と変わらないな、銀ちゃんは…)
だけど、銀時と離れてから十年の時が流れてしまっている
きっと色々と変わってしまっている
そんなことをぼんやり考えながら、斜め後ろから盗み見ていた銀時の頭上から、粉雪が舞い降りてきた
「あ…雪」
重たい雲からふわふわと降りてきた
「どうりでさみィわけだ」
マフラーで鼻まで覆い、すっかり背中を丸めてしまう銀時
「ふふふ、ホントだね。あの頃みたい…」
「ほら、こっちこいよ」
ポスーー
手を引かれ、羽織の中に入れられてしまう
(ああ…、この温もりをずっと感じて入られたらいいのに…)
歩く足を止めた未来を、どうした?と伺う銀時
そんな銀時の身体に腕を回し、ぎゅっと抱きしめた
「まだ寒い…」
(ずっと穏やかな日々を過ごせたらいいのに…)
「なら、こうしてりゃあったけェか」
銀時も未来の背中に腕を回し、少しの間互いの温もりで温め合った