第6章 ざわつく気持ち*R15
銀時たちは仕事終わりに吉原へやってきた
日ノ輪から仕事の依頼があると連絡があったのだ
「吉原に来るの久々ですけど、一体なんの依頼なんでしょうね」
「どうせまたろくでもねェ事だろうよ」
気怠そうに新八へ返事をする銀時
「あ。あれ、未来じゃないアルか?」
神楽の視線の先には未来がいた
「本当だ、未来さん…と、誰だろ?」
店先で未来が見知らぬ男性と親しげに話をしていた
仕事道具の入った鞄を持っているところを見ると、往診で訪れたのだろう
その男性がおもむろに未来の髪へ手を伸ばした
「……っ」
埃のようなものが付いていたのを取っただけみたいだったが、その様子を見ていた銀時は居心地が良くない
「こんなところでも見かけるなんて。未来さん、吉原にも往診に来てるんですかね」
新八が銀時に話を振るが、銀時は何も答えない
「銀さん…?」
自分の知らない未来の一面を見たからなのか
知らない男に笑いかける未来を見たからなのか
虫の居処が悪く、たちどころに銀時の機嫌が悪くなった
「…日ノ輪んとこ急ぐぞ」
未来のいる方とは逆の方向へさっさと歩いて行ってしまった
「どうしたアルか、銀ちゃん」
「さあ。なんか不機嫌みたいだけど」
事情がわからない新八たちは銀時の後ろを追って歩いていった