第17章 失った記憶、失くならない記憶
未来に襲いかかっていた酔っ払いたちは、一人があっけなく銀時にやられてしまうと、残りの輩もさっさと逃げ出していった
百華はその男たちを捕らえ、月詠は何も言わず目を伏せたままその場を離れた
「未来…っ」
未来に駆け寄る銀時に先程までの形相はなく、憂いげな顔で全身から心配が滲み出ている
「銀…ちゃん…、なの?」
揺れる二つの瞳が銀時をとらえる
銀時はそんな未来を優しい眼差しで真っ直ぐ見つめ返す
「…ああ。すまなかったな…未来」
(あ…いつもの銀ちゃんだ…。優しくて…大好きなあの銀ちゃんだ…)
銀時の首に腕を絡め、未来は銀時へ抱きつく
言いたいことは山程あったが、いの一番に伝えたいことは一つだった
「おかえりなさい…、銀ちゃん…っ」
未来の細い身体に腕を回し、未来を確かめる銀時
「ああ…、ただいま」