第17章 失った記憶、失くならない記憶
その頃、吉原の自警団 百華の一人から未来のことを耳打ちされた月詠は、新八たちには余計な心配をさせないように、誰にも何も言わず、そっと部屋を抜けると未来たちの元へ向かった
ちょうど未来たちのいる部屋の前までたどり着いたところで、銀時のドスの効いた声が響いてきた
「銀……」
「そいつは俺の惚れた女だ。その薄汚ねェ手で気安く触ってんじゃねェよ、クソどもがっ」
銀時に声をかけようとした月詠の声は、怒りを孕んだ銀時の声でかき消された
"俺の惚れた女"
月詠はその言葉に息を呑んで、それ以上動くことができなくなってしまった