第17章 失った記憶、失くならない記憶
まだ日が高いうちから、銀時たちは吉原の店をはしごしている
気乗りしない銀時にお酒を勧める花魁
救世主様の為に人肌脱ぐと言い褥に誘う花魁
一人で酒を煽り暴れだす月詠
他所には目もくれず、ひたすらご飯をかき込む神楽
それを見て楽しそうに笑う日ノ輪と晴太
銀時はカオスと化した渦の中心で、困り果てている
「効果…無かったですね」
新八と未来は、銀時を見守りながら少し離れたところで話している
「なかなか難しいけど、久々にみんなとこうして騒げて私は楽しかったよ」
「あはは、そうですね。銀さんのことがあってから、こうゆうの初めてですね。…未来さんの気晴らしにもなれたなら、今日はここに来た甲斐がありましたね」
「え…?」
「心配してたんです、未来さんのこと。銀さんがこんなことになって、僕たちも悲しいけど、きっと一番辛いのは未来さんだと思うから…」
「新八くん…。ありがと」
揉みくちゃにされていた銀時はその輪の中から抜けだし、未来の姿を探すと、新八と二人で楽しそうに話していた
その光景に何故だかホッとするような胸がざわつくような、なんだか落ち着かなくなる気持ちになった