第17章 失った記憶、失くならない記憶
「あら、本当に銀さん?今までより目つきが鋭くてカッコいいじゃない」
店先に車椅子で出てきた日ノ輪からも気の抜けたことを言われ、新八は突っ込むことすらもう面倒になっていた
「でもまあ確かに記憶がないと不便なこともあるわよね。まあ今日は吉原でパァーっと飲んで行ったら?サービスするわよ、吉原の救世主様」
「はあ…。パァーっと…ですか。あの、今日は依頼があると聞いてきたんですが…」
「…確かに、いつもの銀さんじゃないわね」
ピンときていない銀時を見て、眉を潜める日ノ輪に呆れたように新八は声をかける
「いや、だからそう言ってるじゃないですか…」
「まあまあ。今日はパァーっと飲んでいくのが依頼よ」
日ノ輪のペースに呑まれて、銀時は花魁の美人どころに座敷へ連れて行かれた