第17章 失った記憶、失くならない記憶
未来が帰った後銀時は仕事に戻るが、未来の姿がチラついて集中出来ずにいた
それ以来、四六時中未来のことを考えている自分がいることに銀時は気づいた
そして、未来が勤めていると聞いていた真選組屯所へ足が向かっていた
門前に着くと銀時はハッとした
なんの記憶も思い出せていない自分が、こんなところまで来て一体どうしようというのか
悲しそうな横顔、目を伏せる未来
今の自分にはそんな顔しかさせれない
また未来にあんな顔をさせるくらいなら、やっぱり会わない方がきっと良い
そう思うと急に気持ちが萎み、来た道を戻ろうと足を踏み出した
「テメェ、こんなところで何してんだ?」
「旦那ァ。珍しいですねェ、屯所まで来るなんて。何か用ですかィ?」
背中で声がして振り向くと、制服を着た男が二人門から出てきて、銀時に話しかけている
「あ…えっと、その…」
「あぁ?なんか様子が変だぞ、テメェ…」
その二人は土方と沖田だった
だが遭遇した銀時は記憶が無い為、しどろもどろになってしまう
いつもと様子が違う銀時に戸惑う土方と沖田
「銀ちゃん!」
二人の後ろから顔を出した未来が、銀時の姿を見つけて声を上げた