第17章 失った記憶、失くならない記憶
「銀ちゃんが…、記憶喪失…」
「僕たちも何がなんだか…。最初は家賃踏み倒そうと記憶喪失の振りしてるだけなのかと思ったけど…、未来さんにも同じ態度ってことは…」
新八からこれまでの経緯を聞き、少しずつ現実を受け止める未来は伏し目がちに何かを考え込み黙る
新八の話を聞いている未来の横顔を、銀時はぼんやりと眺めていた
寂しそうな、悲しそうな…そんな横顔を黙って見つめていた銀時に疑問が浮かんできた
「あのー…、あなたと僕はどういう関係なんですか…」
その言葉に未来は戸惑った様子で銀時へ振り向く
「……っ」
「未来さんと銀さんは幼馴染なんですよ」
言葉が出てこない未来の代わりに、新八が答えた
「幼馴染…」
「幼馴染ってゆうか、もっと深い男と女の関係アル」
「神楽ちゃん、言い方…」
普段と変わらない物言いを嗜める新八
「あなたと僕が…」
ピンときていない銀時の顔を見て、未来はどうしようもない不安に包まれた