第2章 木ノ葉の忍
マウス三兄弟が潜入して数十分後。
次男「雫!調べてきたぜ!」
長男「思っていたよりも入り組んでなかった」
三男「人数も外に比べればそれほどでもないっス」
無事に戻ってきた三匹を視界に入れて安堵しつつ彼等が入手した情報を事細かく聞き、脳内でこの後の対応を瞬時に考える。
『……もうあれだ、このまま潰そう。うん』
長男「いいのか?」
次男「いいじゃんよ!潰そうぜ!」
三男「火影にはどう報告するっスか?」
『んー……面倒なんで全部ぶっ潰したって、そのまま。…口寄せの術!』
私の言葉を大体予想していたのかさして驚くこともなく三匹それぞれが喋るのを耳にしながら新に口寄せを行うと現れた一匹の狼。
蓮華「ふー、呼び出されるのも久しぶりだわ。それで…今日はどうしたの?」
『蓮華、悪いんだけどこの手紙を火影に届けてくれない?』
蓮華「手紙?分かった、任せてちょうだい」
『ありがとう。頼んだよ』
手短に書き綴った手紙を蓮華の口の中へと入れ、銀色の毛を靡かせて颯爽とこの場を去っていく狼の姿が見えなくなるのを見届けてから改めて多くの忍へと視線を向けた。
三男「それじゃオイラ達は戻るっス!」
『ん、助かった。お疲れ様』
手伝ってくれた感謝の気持ちを告げると目の前から一瞬にして姿を消した三匹のネズミ達。
『…さーてと。サクッと片付けますか』
まるで運動する前の準備体操をするかのように体を軽く動かしてから素早く印を組む。
『多重影分身の術!』
そう口にすればボンっという音と共に現れたざっと数百ほどの自分自身の姿。
「何者だッ!!?」
「奇襲か!?クソっ、お前等今すぐ攻撃だ!!」
さすがにその状況に警備していた忍達も気付いたようですぐさま警戒態勢に入り次々攻撃をしかけてくる。
『フッ。アンタ等じゃ役不足だよ』
一斉に襲い掛かってきたかなりの数の忍の姿を捉えるも臆することなく、寧ろどこか楽しそうに口元に笑みを浮かべたまま数百の影分身に容赦するなと指示を出した。