第5章 賑やかな食卓
ロー「…おい……いつまで抱きついてるつもりだッ…」
『??あ、ごめんッ!!つい嬉しくて』
ロー「っ…(動悸が煩ぇ)…俺は部屋に戻る。後は適当にしろ」
ギャーギャーと主に騒いでいるペンギンを煩わしそうに見てから溜息吐いて席を立ち部屋へと戻っていくローを見送り、なんとかこの先やっていけることにホッと胸を撫でおろす。
ペンギン「くそー…。なな、俺にも抱きついてきてくれね?いいだろ?」
シャチ「いいわけあるか」
『ベポならいいけどね(モフモフしてて抱き心地良さそうだし)』
ベポ「本当!?やったー!!」
ペンギン「何でだーーーッ!!!」
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賑やかな食事が終わり後片付けも済ませ、ベポは再び見張りをするため甲板へ。
ペンギンもシャチもそれぞれ振り当てられている仕事をしに行ったので話し相手もやることもなくなってしまった。
『どうしよっかな…。ベポの所にでも行こうか…』
ロー「何してる」
『ロー!?…いや、夕飯時までやることがないしベポの所にでも行こうかな~って考えてたとこ』
特にすることもなく船内を散歩していると丁度船長室から出てきたローと遭遇し、問われたことに対して妙な気まずさを感じてしまう。
ロー「…部屋にコーヒーを持ってこい」
『え?』
ロー「この世界のことを知りてぇんだろ。俺で教えれる範囲で構わねーなら教えてやる」
『いいの?すごく助かるわ!今すぐ持ってくるから』
ローからのまさかの提案にこれは乗らないわけにはいかないと笑みを浮かべ、すぐさま厨房へと向かいカップにコーヒーを注いで足早に船長室へと向かい軽くノックを鳴らし「入れ」と短い返事が返ってきたので室内へと足を踏み入れる。
『…すごい数の本…ってコレ、医療書?…あなた医者なの?』
ロー「…医者……ま、そんなとこだ」
『…この世界に来た事の次ぐらいに驚きだわ。…それで、この世界のこと教えてくれるのよね?あ、コーヒーどうぞ』
室内に入るとあちらこちらに置かれてある本に自然と目がいき、その中でも大半を占めている医療書が気になり問えばローは医者だというのだから人は見かけによらないなと素直に思った事を口にしつつコーヒーを入れたカップを渡した。