第2章 木ノ葉の忍
それからさほど時間かかることなく事態の終息を迎え、辺り一面に見えるのは血と息絶えた忍と_____
『………準備運動にもならない』
服に汚れ1つなく、呼吸も乱さず平然と立つ女の姿のみ。
全ての敵を片付けたのを確認するため多重影分身を消して内部へと足を進めることに。
マウス三兄弟の情報通りさほど入り組んでおらず確認し終えるまでに数分とかからず一番奥に到着することができた。
『……此処は…一体何だ…?』
一番奥の空間はそれほど広くはなく、中央には長方形のテーブル、その上にまるで何かの儀式が行われていたかのように丸い鏡と両サイドを囲うように蝋燭が飾られている。
『…(何か嫌な予感がする)…とにかく一旦もどッ!!?』
この場に長居はしたくはないなと来た道を戻ろうとした瞬間テーブル上に置かれていた鏡が眩いほどの光を発し始め、そのあまりの眩しさに思わず目を閉じてしまった。
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どれぐらいそうしていたのか…目が落ち着くよりも先に耳に聞こえてきたありえない音と僅かな揺れ、髪を撫でるような風に何が何だかさっぱり分からず半ば無理矢理閉じていた目を開くと先ほどまで暗がりだったはずなのに明るい光が視界いっぱいに広がった。
『っ………な、んだ…?……此処、は…ッ…』
少しずつ慣れ始めた目を必死に凝らして辺りを見渡すと信じ難い光景が広がっておりさすがに理解が追い付かずに唖然としてしまう。
『……海……の…上?(いつの間に船に乗った?)』
先ほど感じた僅かな揺れは船の上に乗っていることが原因かと納得するものの、現状を把握できているわけではないので内心かなり困り果ててしまっている。
『(どうやって私を船の上に?よほど腕の立つ忍が居たのか…。いや、そんな気配は感じられなかった……それなら一体…)…「あ、あの…」!!?』
状況把握に神経を思考を働かせていたせいで近くに人が居た事に気付くのが遅くなってしまい、声をかけられた瞬間すぐさまクイナを手に取り構えを取った。