第5章 賑やかな食卓
シャチ「おお、美味そう!それじゃ皆を呼ぶぜ!」
テーブルの上にパンケーキを乗せたお皿やフォーク等を並べてから飲み物も準備し、全てが終えた頃にシャチが呼んだ船員達が姿をみせた。
ペンギン「すげぇ良い匂い!それにめちゃくちゃ美味そうッ。これ雫が作ったのか?」
『まぁね』
ベポ「雫すごいね!!もう食べていい?」
ロー「何だこの甘い匂いは」
厨房内に漂う甘い匂いに空腹が沸き起こってきたのかお腹を擦りながら早く食べたいと訴えるベポに頷こうとしたとき姿を現したロー。
『パンケーキよ。お昼にはもう遅いだろうし、かといって夕飯にはまだ早いでしょ?だから軽食程度に作ってみたんだけど…駄目だった?』
ロー「別に駄目とは言ってねぇ。…コレ全部お前が作ったのか?」
『…そうだけど…。あ、毒なんか入ってないよ。ま、心配っていうなら私が毒味するけど』
じっとパンケーキを見つめながら問いかけてきたローにもしかして毒でも仕込んでるのではと疑われている可能性があったため毒味をかって出たのだが、それに返事が返ってくることはなく代わりにナイフとフォークでパンケーキを切り分けて一口食べたローに軽く目を見開く。
『え……た、食べたの?』
ロー「あ?食べたら問題でもあるのか?」
『……ない、けど…(毒を仕込んだのかもって疑ってたんじゃ)…』
ペンギン「キャプテンだけずるいぜ!俺も食うぞ!!……んんッ!!!?」
『ペンギン?大丈「うめーーーーーッ!!」!!?』
私の気持ちをよそにローが食べたのをきっかけに他の船員達も食べ始め、一口食べたペンギンが口元を押さえたので少しばかり心配になるが拳を天井に向けて突き上げ美味しいと叫ぶ姿に安堵した。
ベポ「うんうん!!すっごく美味しいよ!!雫って料理上手なんだね!!」
シャチ「ん、こいつは本当に美味いッ。久しぶりに美味い物食った気がするぜ」
皆が口々に美味しいと笑顔で言ってくれるのだからくすぐったい気持ちになる。
ロー「…何突っ立ってやがる。お前もさっさと座って食え」
『…ふふ、ありがとう』
木ノ葉の里に居た時はこんなふうに誰かと一緒に食事をする事がほとんどなかったので目の前の賑やかな空間に心が不思議と穏やかになるのを感じた。