第4章 ハートの海賊団
ローが船内へと姿を消した途端今まで沈黙していた船員達からの質問攻めが始まった。
「さっきの技すげーな!!あ、俺はペンギンだ!よろしくな!」
「俺はシャチ。もしかして悪魔の実の能力者か?」
ベポ「違うよ!雫は忍なんだって!」
「「忍??」」
次々と止まらない質問に心底疲れた表情を浮かべるが全く気付く様子がなくしゃべり続ける帽子二人組。
PENGUINと書かれた帽子を被っている方がそのままペンギンで、名前のない方がシャチというらしい。
『(そんなに喋って疲れないのかな)……悪魔の実?』
ベポの言葉に首を傾げる二人をよそに初めて聞く単語が気になり問い返す。
ベポ「あ、そっか。雫は悪魔の実を知らないんだね!悪魔の実っていうのは食べると不思議な力や能力を使うことができるんだよ!」
『??食べる?』
ペンギン「悪魔の実って言われる実が世界中に存在して、それを食べることによって…例えばあんたがさっきやったように水を操ったり体が鉄のようになったり。とにかく普通ではない能力を得ることができるってわけだ」
ベポとペンギンの話に耳を傾けながらこの世界の新な情報をしっかり記憶する。
シャチ「それで…雫…だったか。雫は悪魔の実の能力者ではないんだよな?ならさっきの技は何なんだ?」
悪魔の実も含めて少しずつこの世界に興味を持ち始めていると先ほどのローとのやり取りが気になるのかじっと見つめてくる三人に苦笑いを浮かべ。
『さっきのは技というか…忍術というものだよ』
「「「忍術??」」」
忍が存在しないこの世界では当然忍術も知らないのだろう。
同時に首を傾げる三人が面白くて思わず笑みが溢れ、ローとベポに話したように完結かつ事実を話し始めることに。