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眠りの中へ

第2章 未来


父親「将来何になりたいの?」

私は親からのその問いにいつも本当のことを答えられない。

私は声優になりたい

声優になっても食べていける人は本の一握りで、才能だけじゃ無理、努力しても無理かもしれない、結局は運だったりもする。
30メートル先の崖まで自力で飛びうつるようなもので難しいことなんて分かっている。でも私は声優になりたいんだ。

収入を気にする親から見たらそれは夢ではなく危険思考だ、それは私もわかっている。
だから一度も言っていない。その代わり親の機嫌をとるために、いつも、もうひとつの無理やり作った夢である公務員の図書館司書になりたいと答えている。

こっちだと公務員は安定した収入で親も満足する。何より親に公務員になるためのことを聞かれたとき調べずとも先生に聞けばある程度の情報は一発で得られ、実際に体験しているから調べて得る情報よりも現実的な情報が得られるのだ。

そしてそんな状況の中、私がいつも考えるのは自分がなりたい声優の道は親に話せない時点でもう絶たれているということだ。
なぜなら声優になるためには、養成所などでレッスンを受けたり、オーディションなどの話しをもらったりしないと難しいからだ。

よって私は図書館司書になれなくとも親の機嫌をとるため収入が安定した職業につくことになる。

そしたら私は生きるために仕事をしお金を稼ぎ主に生きるために使いまた生きるために仕事をしてお金を稼ぎ主に生きるために使いを繰り返すんだ。

好きなことをする時間なんて少ししかない、あるいはないだろう。お金も生きるために使うし、好きなことをしている時間もない。

働いている間はそんな状況の中、生きていくんだろう。そして老いて死んでいくんだろう。

そんな未来のどこが楽しいんだ。

全ての発端は安定した収入を求める親だ。
安定した収入を求める理由だが私の親の場合は、子供が死なれちゃ葬式代を出さなきゃいけない、気分が悪い、というものだろう。

そんな理由に振り回されてなりたい夢を諦めてただただ生きるためだけに仕事をし収入を得て生きるためだけにお金を使いを死ぬまでの暇潰しのように繰り返す人生を強制させられる。

ふざけるな
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