第2章 全て忘れる為の一杯
「ふぁっ…」
不意に千歳の手が脇腹をかすり、は甘い悲鳴を上げた。
そのまま手はゆるゆると下へ向かい、の太ももをストッキング越しに撫でる。
その間も千歳の口は休むことなくの乳首を吸い上げ、甘噛みして舐め上げる。
「やっ、も、…胸、むりぃ…あんっ」
ジュルジュルと吸い上げられ、充血し切った乳首はもう痛いほどなのに、優しく舌が撫でる度に新しい快感を生み出してを追い詰めた。
「おねが、おねがいっ…むね、いやぁ…」
「じゃあ、こっちにするばい♡」
そう告げるやいなや千歳は身を起こし、の腰を持ち上げた。
その意味を察して暴れる脚を押さえつけ、半ば破くように衣服を剥ぎ取っていく。
「やだっ、やめてっ…かえっ帰るっ…ひっく…」
必死で抵抗するのになんの意味も無く次々と脱がされて、は自分の無力さに泣きじゃくるしか無かった。
「はー♡ぬるっぬるに濡らして……いやらしかねぇ♡」
「ひっ」
そんなを気にする素振りも見せず、千歳はの腰を抱き上げてうっとりとの秘所を見つめる。
「や、だぁ…見ないでっ…かえ、帰らせてぇっ…なんでも、するからぁっ…」
両手で顔を覆い涙を流すに、千歳の眉が僅かに寄せられる。
「はー……帰る帰るって…聞き分けんなか子や…」
「あうっ」
急に腰を解放され、はどさりとソファに投げられた。
獣のような殺気立った雰囲気に身動きが取れず固まっていると、千歳は1つの小さなグラスをテーブルに置いた。
「仕方なか。帰りたいなら俺と勝負たい」
「しょ、勝負…?」
恐る恐る身を起こすと、千歳はグラスを指さした。
「こんグラスん中身、全部飲めたら帰ってよか」
「えっ、ほ、ほんとに…?」
改めてグラスをマジマジと見つめる。小さなそれに半分ほど注がれた透明の液体。
(こ、こんな少しでいいの…?)
戸惑いながら手に取る。掌に収まる小さなグラス。これを飲めば帰れるんだ、と希望が胸に湧いてきた。
「じゃ、じゃあ…」
意を決して口をつけた瞬間、は咳き込んだ。