第2章 全て忘れる為の一杯

「な、なんで……知って…」
「当たり前ばい。のことばずーっと見とったけん」

そう言って首筋に千歳の唇が降ってくる。

「あぎゃんしょうもない男に引っかかって……俺がどんだけば心配しとったか…」
「ん、あ、っす、ストーカー！？」

首筋を舐め上げる舌に震えながらそう叫ぶと、耳元で小さく笑われた。

「そんなんじゃなか。俺は……が弱って罠に落ちるんばずっと待っとった」

その言葉と共に部屋の空気が一気に重くなったのを感じた。
何が何だか分からないが、1つだけはっきりと感じたことがある。

「ひっ、あ、あなた…に、にんげんじゃ、ないの…？」

ここは、普通の場所じゃない。それだけははっきりと感じられて、恐怖に身がすくんだ。

「んー、さぁ、どうやろねぇ…？とにかく、はもうここから出られんばい」
「あっ…や、だっ…」

ぬるりと舌が耳に差し込まれる。くちゅりと濡れた音が直接脳に響き、の身体がぴくりと跳ねた。
その隙に千歳の大きな手がの背中に回されると、あっと思う暇もなくホックが外された。

「だ、だめっ…やだっ…んっ」
「はー…柔らかかぁ…♡」

ふにふにと手の中で形を変える胸を楽しみながらの唇をペロリと舐め上げる。

「まだ何もしとらんのに乳首コリコリたい♡キス気持ちよかったと？」
「はっ…あんっやめ、てぇっ…」

すっかり固くなった突起を指先でくりくりと弄べば、は嫌々と首を振りながら吐息を漏らす。

「あっは♡可愛か声♡もっときかせて♡」
「あっ…」

ぱくり、片方の乳首を口に含まれ、は小さな悲鳴を上げた。

「や、だぁ…あっあっ…やめっ…んんっ」

ちゅ、ちゅと吸い上げ、鬱血した乳首を舌で擽る。その間ももう片方の胸をやわやわと揉み指先で乳首をつまみ上げれば、は千歳の髪に指を絡ませて身をよじった。

（やだ、こわい、のにっ…）

絶え間なく両胸に与えられる刺激に、の身体から力が奪われ、頭をどかそうとしていた手は最早添えられているだけだった。
ぬりゅぬりゅと乳首を擽られる度に下腹部がきゅんとして、自分の体の反応には戸惑いながらただ喘いだ。