第1章 突然の来客
玄関先に行くと、2人の歩く音が近付いてくる。
それにしても何しに来たんだろぉ?・・・不思議に思いながらドアノブを開けると、それに気づいた嶺二がタイミング良くジャンプしながら玄関の扉開けたところに着地してコチラにキメ顔を見せつけていた。
「お姉さん、こんばんわ。君の寿嶺二が迎えに来たよ。」
いつもより低めの声でキメている。
「バーカ。お邪魔しに来たんだろぉが、さっさと中入れよ、近所迷惑だ。」
喋りながら足で嶺二の背中を押し、部屋に押し込む。
「ちょっとランラン!僕ちんの事足でなんですか、足で!」
「うるせぇ、母親かよ」
ギャーギャー言いながらもようやく2人が部屋に入ったので、とりあえず鍵を閉めて、2人にあんまり大きい声出さないでと注意すると、ごめんと2人が苦笑いした。
テーブルに促すと、2人が買ってきたらしい飲み物がいっぱい並んで行く。ーーーどれもお酒だ。
2人に会った瞬間からお酒の匂いは感じていたが、まさか私の家で飲もうとしてるとは・・・。
「え?何??今から2人はお酒飲むの??飲んできたんじゃないの??」正座しながら2人に問う。
何やら2人は顔を合わせてニヤッと笑っている。
(君も)(お前も)「飲むんだよ。3人一緒に。」
凄い。声がハモッてる。
「えー、わ、私明日早いしなー?」
「いやいや・・・!君は明日休みって事、嶺ちゃんはお見通し!」
あ、何故かバレてる。
「俺も帰るはずだったんだけど、嶺二に無理やりついてこさせられて・・・」
ぶっきらぼうに言う蘭丸を何故かニヤニヤしながら見つめる嶺二に私は気になった。
「なに?何かあるの??嶺二なに??」
ちょっと詰め寄ると嶺二の手に制される。
「いいから!とりあえず飲もぉ!僕達に付き合ってくれたら質問に答えるから☆」
さぁさぁ!っと勝手に開けたお酒を手渡される。
「えぇ・・・。」
蘭丸と嶺二が同時に「カンパーイ」と言いながらお酒の缶をぶつからせたままコチラを見て動きを止めている。
「か、かんぱ~い・・・」
弱々しい声で私もお酒の缶をコツンッと2人の缶にぶつけると2人は嬉しそうに飲みだした。