第1章 突然の来客
ピンポーーーンッ
部屋に鳴り響くチャイムの音。
タイミング良くちょうどお風呂から出た私は急いでそこら辺に合ったネグリジェを慌ただしく着ながら、リビングのモニターまで駆け寄る。
「・・・っはい?」
画面が何故か真っ暗だ。ちょっと怖いな・・・っと思いつつも問い掛ける。
「・・・・・・・・・。」
応答しないーーー。
「・・・え?あ、あの・・・」
少し怯えた感じでモゴモゴ喋るとモニター越しから小さくクスクスと聞き慣れた声が聴こえてきて、一気に体の熱が上昇する。
「ーーーッ!!もう!嶺二でしょ!!怖いから手でモニター隠すのやめて!時間も遅いから尚更怖いでしょ!!」
不安から一気に解放されて怒りに変わる。
ダイニングテーブルの上の時計をチラッと見ると夜中の12時を越えた所だ。
「めんご!めんご!夜遅くにごめんねー!!会いに来たよ!僕のシンデレラッ☆」
めちゃくちゃ手を合わせて謝ってるのに反省が感じられない。モニター越しでもちょっとうるさい。お酒でも入ってるのかいつもよりテンションが高い。
「ーーー。ん??」
モニターをよく見ると嶺二が横に揺れたりする度にチラッと銀髪が見えた気がした。
「ーえ??蘭丸もいるの??」
「あったりー!!!えへへー♪ランランも、君に会いたいからついてきたんだよ?ねー!ランラン?」
強引に蘭丸の肩を自分の方に寄せて、モニター越しにコチラに満面の笑みとブイサインを決めてくる嶺二。
すぐに「うるせー。」て言葉と同時にモニターの枠の外に蘭丸の手のひらによって押し出される。
「あー!ランランってば、乱暴者ー!嶺ちゃん悲しい!!」
「あぁー、うるせぇ。声がでけぇーんだよ嶺二。静かにしろ、迷惑だろーが。」
ポカポカ蘭丸の事を叩く嶺二の手を掴んで黙らせる
静かに一言「わりぃ、大丈夫ならあがらせてくれるか?」って少し遠慮気味に私の目を見てくる。
うぅ・・・。嫌とは言えない・・・。良いとも言えないけれども、2人が来てくれた事は素直に嬉しい、なぜ来たのかは全く謎だけども・・・。
「う、うん。いいよ、今開けるからエレベーターで上がってきて」
セキュリティ一を解除して、私はとりあえず玄関先に向かった。