• テキストサイズ

【ヒロアカ】華恋【轟焦凍】

第2章 夏恋[R18]




「は?他人はすっこ…ショート…!?」


私の背後にいる声の主が誰なのか。
言われなくてもわかっていたけど。
それでも信じられなくて。
私は振り向くことが出来ないでいる。


「嫌がる女を無理矢理引っ張って何処に連れて行くつもりだ?」
「あ、いや…これは…」


プロヒーローというのは敵を捕まえる為に
"個性"使用を許可されているけど
決して一般市民に向けて"個性"を使う事はない。
それでも歯向かって敵う相手でないことも
重々承知しているのだろう。


「轟くーん!」


もう一つ新たな声が背後から聞こえてきた。


「で、デクまで!?」


私は背を向けているから姿は見えないけど
目の前で目を丸くして戦意喪失している姿から
新たな声の主もまたプロヒーローであることがわかった。

掴まれていた腕は既に放されていて
少し腰が引けている。


「いきなり姿消すからびっくりしたよ!って、どうかしたの?」
「少し用ができた。後で連絡する」


そうしてさっき掴まれていた腕が
再び掴まれて何処かへと引かれていく。
何故かそれに抵抗することはできなくて
引かれるままその後ろ姿を見つめ続けていた。

さっきの場所から少し離れた
人気の少ない場所に着くと
その後ろ姿はこちらに振り向いて


「わりぃ。邪魔したか?」


何でそんな言い方。
無理矢理連れていかれそうだったから。
人救けしようとしてくれたんじゃないの。


「親しげだったから知り合いだとは思ったんだが、お前が抵抗してるのみて放っとけなかった」


あの日と同じ言葉。

腕を掴んでいた手が放れて
頭を撫でられている。
まるであの日の夜みたい。


「連絡、くれねぇから。もう会えねぇかと思ってた」
「…ごめん」
「キスマーク。消えちまってるな」


数日あればキスマークなんて消えてしまう。
というかなんでそんな事気にして

そこで私の思考は急停止した。

左胸の水着を少しだけめくられて
そこに焦凍の顔が埋められて
ちくっとした痛みが走って。


「次はこれが消える前に連絡くれ」
「!?」


いくら人気がないとはいえ
外でするようなことじゃない。
いや、それよりも
何でこんな状況になっているのか
訳がわからなかった。


/ 29ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp