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innocence

第5章 蒼の目覚め


「ぐるぐる、ぐるぐる……頭がぐるぐるする……!」
怪物を視認したことでパニックになったのか、郷未は真っ青な顔で頭を抱え、うずくまっている。
……頭がぐるぐる?頭痛がするということか?
しかし、ボールペン状に形を変えたゲームスコープには、何の反応もない。
郷未はゲーム病の疑いがあるが、怪物がバグスターであると証明できるものは何もない。

怪物はまたも引き寄せられるように郷未に手を伸ばす。動作が鈍いので、生身の動体視力でも十分に対応できる。
無防備な腹に回し蹴りを見舞うと、怪物は大げさによろけた。
一見効いているようだが、特殊能力もない生身の攻撃では、この怪物を倒す決定打にはならない。
……こんな時、ゲーマドライバーとガシャットさえあれば。

その時、握り締めた掌の中から熱い感触がした。
その感触はかすかな光を放って、もう片方の手にも現れる。

「ゲーマドライバーと……ライダーガシャット……!?」
輝きが収まると、俺の両手には、使い込んだゲーマドライバーとこれまで集めたライダーガシャットが鎮座していた。
「随分と急な話だが……これで郷未を救えるなら!!」
ガシャットのスイッチを入れる。
『タドルクエスト!』
馴染みのやかましい音声に、どこか安心する自分がいた。
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