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Short story

第1章 憧れの人


ーざわざわ

クラス割が発表された。

メロディはA〜Iまである中のFクラスだった。
クラスは40名で女子は10名ほどだ。

知ってる人はいなそうだ。
友達は一から作ればいい。


3ヶ月が経過し慣れてきた頃、学年の武闘大会が開かれる事になった。
参加は自由で、例年参加者は殆ど男子だった。

『何ですか?先生。急に呼び出したりして。』

「なぁ、お前武闘大会参加してみないか?」

『えっだってわたし女子ですよ?』

「関係ないだろ?俺は知ってるんだよ、お前の実力。勿体ないよ!」

『相手が女子ならみんな手加減して話にならないですよ〜。』

「隠せばいいじゃないか。当日はみんな頭からつま先まで、フル装備してわかんねぇよ。偽名使ってさ。」

『…。先生がそう仰るなら。』

ちょっと面白そうだと思った。


ーー大会当日


「おおっ、スゲェ!!ベイガンって誰だ!?」

メロディはベイガンという偽名を使って参加していた。

パワーは少し劣るが男性と比較して小柄なことが利点となり、素早さで相手を次々と倒していく。

あっという間に決勝戦だった。

「うおおお!ベイガンってやつすげえな。どのクラスだ?F組?ベイガンなんて奴いたか?」

「相手はA組のセシルさんだしな。勝ち目は無いだろう。」

セシル?
もしかしてあの?

観客の言葉でいままで興味のなかった対戦相手の名前を知る。

まさかねー。

特別気にも止めず、闘いが始まった。

メロディは先制攻撃を仕掛ける。

しかし受け止められる。

ー早い。

いままで戦ってきた相手と格が違う。
一打でわかる。

すかさず相手が後ろに回り込んでくる。

ーしまった。この人本当に素早い!

ぎりぎりのところで攻撃をかわす。

『くっ!』

「とてもすばしっこいね。こんなにキレの良い相手はカイン以来だよ。」

『!!』

本当にセシル君なんだ…!

なら…一筋縄には、

いかない!

メロディは咄嗟に魔法を唱え、大きな火の壁を作った。
観客からどよめきがおこる。
魔法は反則ではない。
感嘆の声だった。
武闘大会となると剣術に自信があるものが多く、使われることがあまりなかった。

「っ!!」

火に気を取られたセシルの背後に回って切り込む。

しかし、またあと少しのところで受けられた。
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