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Short story

第1章 憧れの人




「はい、この問題誰かわかる人ー?

あれー?誰もいないの?
困ったわねぇ。じゃあ、セシル君!前に出てきて解いてみて!」


「はい。」


先生に指名された綺麗な銀髪の同級生は黒板にスラスラと解答を書いていく。


「はい、正解!すごいわセシル君!」


うちのクラスで誰も手を上げない時のお決まりパターンだ。


セシル君はとても頭が良くて運動神経も良い。
人当たりも良くて礼儀正しくて…
王子様ってこんな感じなんだろうなというイメージを具現化したような男の子だ。

休み時間には上級貴族のカイン君とローザちゃんと3人でよく遊んでいて、手が届かない雲の上の存在だった。


「ねぇ、メロディはどこの学校受けるの?」

お昼ご飯を食べていると親友のマリーが私に聞いてくる。

『うーん、私は両親の意向もあって士官学校を受けるつもり。』

「そっかぁ、メロディの家は由緒正しき魔道士一家だもんね!
離れ離れになるの淋しなぁーっ!わたしも士官学校受けようかな!」

この国では12才で受験し、それぞれ進路を決める。

今年わたしたちは受験生だ。

『マリーは何になりたいの?』

「わたしはメロディとおんなじがいいな!」

『あはは!何それー!マリーはお洒落なんだから美容とかファッション系がいいんじゃない?』

「ええーそうかなっ?メロディがそう言ってくれるならそうしようかな?」

『ふふ!もう!コロコロ変わり過ぎっ!』


時は経ち、メロディは士官学校へ入学し、魔道士クラスにおいて目覚ましい成績を残した。
その成績を讃えられ、バロン王国の軍人を育てる兵学校へと進んだ。

親友のマリーは美容学校へ進み、学校は離れ離れにはなったが変わらぬ親交を続けていた。


ー兵学校入学日ー
メロディは今年16才だ。

『ふぅー。さすがに兵学校となると女子はすごく少ないなぁ…。』

士官学校まではそれまでの同窓生はそれなりに多かったものの、兵学校となると更に絞られた。
特に女子は。

メロディは魔道士としてはもちろん、剣術などの武術にも長けていたことが兵学校入学の所以だった。
同級生の女子達は治療を専門とするいわゆる看護学校に進む者が多かった。
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