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愛のカタチ~貴方と見る世界~【ONE PIECE】

第5章 気づき始めた想い



部屋の外に出たローは、リンの反応の可愛さにニヤニヤしていた。と同時に、引き寄せた彼女の香りが、妙に安心すること、彼女の長い睫毛、色が変わる綺麗な瞳、黒く艶やかな髪、甘く柔らかそうな唇、スタイルのいい華奢な身体すべてにドキドキしている自分がいることに気づいた。

あのまま見つめていたら、間違いなくキスして、そして引っぱたかれていただろう。あの瞬間に理性が働いた自分を褒めてやりたくなったのだった。

(あんな格好しやがって…煽るなよ…)

あの時の心音に気づかれてないだろうか、と少し気にしながら、食堂へ向かった。

食堂に入ると、他のクルー達がすでに集まっていた。

「キャプテン、リンはー?」
ベポが、一緒に来なかったことに疑問を持ったようだった。

「…あ、あぁ、もう少ししたら、来るだろ。」

ローの、少し狼狽えたような、苦笑した様子に敏感に気づいたベポ。
周りをキョロキョロと確認した後。

「なんかあった?キャプテン。」
と小声で話しかけてきた。

「なにもねェ。そういや、ベポか、あの服着せたのは。」

「…?服?あ、リンのね!そうだよ、おれだよ。」

「お前なぁ…もう少し考えろ。」

ため息混じりに言葉を発したローに、今度はベポが狼狽えた。

「なんかすみません…」
謝るベポ。

「まぁ、いい。」

そんなやり取りをしていると、食堂の扉が開いた。

「んんっ…歩きづらい…」

ツナギを着て一生懸命歩いて来るリンの姿に、クルーの皆が吹き出した。

「可愛すぎだろ!」

「ツナギとかやべーじゃん。誰だよ着せたの!」

クルーたちが次々に声を発する。
リンはその反応に返す余裕がないくらい、一生懸命だ。
なんせ、ローは背が高い。足の長さも違う。
裾は折れば何とかなるが、股の所が下の方に来てしまう上に、ブカブカ。

ローもツナギを作ってはいたが、着る気はなかったので放置していたものだった。
そんな彼女の姿を見たローも笑いを堪えるのに必死だ。

「ローがこれを着ろって言うから着たのに!皆、笑うなんてひどい!」
涙目でローを睨みつけた。

「あー、ごめんごめん。あんまりにも可愛くて…。いやぁ、朝からイイもん見た!」

「その可愛い姿でお腹いっぱいだわ、俺!」

シャチとペンギンの素直な感想に、恥ずかしさで顔を真っ赤にした。
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