第1章 片思い
珍しくが先に帰った。
ずっと一緒に帰ってきたが…あいつにも事情があったらしょうがねぇと思いながら
家に帰り、自分の部屋に行くと、が俺の布団で寝ていた。
何故?と思うが、しかし
「…、起きろ…」
を起こそうと声をかける。が、しかしは起きなかった。
起きなかった代わりにの頬を撫でる。
最近背中と手は繋いでいたが、久しぶりにの触った頬は柔らかいし、気持ちいい。
夏でも冬でもを
暖めたり冷やしたりするのは、本当は俺の方が触れたいだけじゃねぇのか…?と考えるぐらい、好きな体温だった。
「…」
普段は言えねぇが…の名前を呼んだ。
呼んだせいか、一瞬の気の迷いだろうか…
起きないー…が悪ぃんだ。
起きなかったの口に合わせるように優しく重ねた。